心理学

大衆心理|動かされる群衆の心理

Public psychology

群衆(大衆)は「動かされている」

群集心理は、社会心理学では集団心理とも呼ばれ、群集の中に生まれる特殊な心理状態を指す。人は集団となることで判断力や理性的思考が低下し、興奮性が強くなり、衝動的・無責任的な言動をとる傾向になるとされている。

たまたま、「大衆心理」という言葉を耳にする機会があった。

言葉は聞いたことがあったけれど、その心理がどう形成されるのか、どんな心理状態を指すのかなど知らなかったため、興味が湧き、まずは簡単なものから入ろうと早速漫画を購入した。

それが、今回紹介する「群集心理」という本で、フランスを舞台にして、1774年フランス絶対王政時代からの激動の100年間を背景に群衆(主に労働者)がどう心理状態を変え、暴動、殺戮などを起こしていったかが描かれている。

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群衆(大衆)とは何か

「群衆」とは何か? この本は、こんな言葉で始まる。そして、こう続く。

群衆は・・・ある刺激(※漫画では黒字)によってあらゆる感情や観念を縛られた個人の集合である。そして・・・群衆にある個人はもはや自分の意思を失った一個の自動人形となる(※漫画では黒字)

動物にせよ人間にせよ、生物の群れは本能的に権力者に屈服する。その権力を圧倒的にするものが「威厳」である。人の集団は小さな権力には反抗するが圧倒的な権力には簡単に屈服する。

そこに意思はあるのか?「埋め込まれた当たり前」

読み進めていくと、ひとつの場面に出会う。

自然界で起こることを群衆の様子と重ね合わせているわけだが、妙に共感するひとつの場面とは、凶作だった農村の2人が会話をしている場面である。

農民A「ダメだ・・・今年も凶作だ。ここ何年か天候がおかしいんだ。北国にある火山のせいでよ。(省略)ライプヒッチあたりはバッタが飛んできて大変らしいぞ。」

農民B「バッタ?バッタの何が大変なんだ?」

農民A「おめえバッタの恐ろしさを知らねえのか・・・。あのへんのバッタは普段はおとなしくて可愛いもんだけどよ、気候が変わるとか何かのきっかけで突然凶暴な群れを作るんだ。不思議なことにこの群れに飲み込まれると別の場所にいた普通のバッタまで凶暴になっちまう。こうしてどんどん何千・・・何万・・・と数がふくれあがって、作物も、木も、家も、片っ端から食い散らかして村のひとつやふたつ簡単に滅ぼしちまうってよ。」

農民B「火山といいバッタといい自然は恐ろしいよ。虫けらは人間と違って自分の意思ってものがねえからたちが悪いな。」

この会話は、人間が「バッタ(虫ケラ)は意思がないから恐ろしい。」と言っている場面だが、人間には果たして意思があるのだろうか?

仮に意思があったとして、それは為政者によって生み出された何かに心傾き、群衆に巻き込まれ思考停止状態になったあとに自らの意思と思い込んだものかもしれない。

人間も生物・動物でありバッタ(虫ケラ)同様に意思のない恐ろしいもの、時に意思のコントロールが利かないものと捉えた方が自然と思わざるを得ない。

断言・反復・感染|群衆を操る

マンガの原作となった「群集心理」の著者ル・ボンの指摘した「群衆心理」の重要な性質には以下の3点がある。

群衆は衝動的で、動揺しやすく、興奮しやすい
群衆はあらゆる外界の刺激に翻弄され、その不断の変化を反映する。群衆の経験する衝動は自身の利害観念をも消滅させるほど圧倒的である。群衆には計画的な考慮がない。
群衆は暗示を受けやすく、物事を軽々しく信ずる
群衆の心の中に喚起された心象は、事実として受け取られる。群衆中においては学者も愚者も等しくなる。多くの証人の意見が一致することは、事実の究明に援用される証拠のうち最悪のものである。
群衆は感情が誇張的で単純である
群衆は疑惑も不安も知らず、絶えず極端から極端へ走る

そして、群衆に思想や信念を染み込ませる場合、指導者たちの用いる方法は種々様々であるが主として次の3つの手段に頼る、と記されている。

断言
推理や論証もなしに無条件に断言することは、群衆の精神にある思想を染み込ませるのに確実な手段である。
反復
反復された事柄は、無意識界の深奥部に刻みつけられる。
感染
ある断言が十分に反復されて、意見の趨勢が形作られれば、強力な感染作用が群衆の間に働き始める。

導かれ操られた一個の自動人形

群衆はある刺激によってあらゆる感情や観念を縛られた個人の集合である。そして群衆にある個人はもはや自分の意思を失った一個の自動人形となる

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まとめ|令和時代でも「変わらない」

今回、たまたま「大衆心理」という言葉を耳にして本を購入するまでにGoogleやnoteで検索していたら、特にFXでの大衆心理を応用した手法や仮想通貨の暴騰、サッカーW杯時に見られた渋谷での集団行動などについての記事が散見された。

この記事を書いているのは2019年6月22日だが、最近の出来事を取り上げると、ビットコイン価格が大幅に上昇している。

僕は仮想通貨について詳しくないが、これもまた「大衆心理」を利用し、権力者や富豪が富を増やすために仕組まれたものかもしれないと感じる。

大衆は飲み込まれ権力者は私腹を肥やす

頭の悪い僕がイメージできる範囲では、仮に市場に影響を与えるほど大量のビットコインを所持して、かつメディアに人脈があったとしたら、大量に購入して一時的に価値を上げることを試みるだろう。

そして、メディアを使って煽らせ「億り人」を夢見る人々が気になりだして購入し、価値が上がったところで売り抜ける。安易な考えであることは否定しないが、そんなことをするだろうと思う。

一方で、ひとりの大衆としては、「大衆心理」を理解することにより、誰でも「億り人」になるチャンスを手にすることができると感じた。

意思なき自動人形から抜け出せるのか?

さて、本では、200年以上も前のフランス王政時代からの100年間の歴史を取り上げているが、「大衆心理」を利用した政治は時の為政者により今も続いているのが当然と見るべきだろう。

この話でふと思い起こしたのが、小泉純一郎元首相だ。「自民党をぶっ壊す!」と刺激的なキャッチフレーズを口にし多くの支持を集めた。当時、全く政治に興味がなかった僕でさえ今でも印象に残っている。

群衆はある刺激によってあらゆる感情や観念を縛られた個人の集合である。そして群衆にある個人はもはや自分の意思を失った一個の自動人形となる

当然、僕も大衆のひとりに過ぎない。しかし、もし多少でも群集心理(集団心理)の形成のされ方を知っていれば思考停止状態になるのを避けることができるかもしれない。そしてそうありたいと切に願う。ぜひ、あなたにも手に取って読んで頂きたい一冊だったので今回の記事で取り上げた。

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今日も最後まで記事を読んで頂きありがとうございました。次回以降も、少しでも役に立つものをシェアしていきますので、ぜひまたブログに遊びに来てください。

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「16歳で渡英」初海外を経験し価値観と概念が広がる。その後30ヶ国のひとり旅を経験。本気で死にかけたことは2度ほど。南米で2年半の蹴球生活を終えて帰国。小心者ながら、海外では西語と英語を話せる風の日本語ゴリ押し戦略で常に突破口を切り開いてきた旅人。最近Google Mapの使い方を知った30代ながら自称ノウハウコレクター。現在は「人生のレールなんかない」をテーマにブログで発信。
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